ドローンの形状には種類がある!機体の形状と呼び方をご紹介
ドローンと一言でいっても、手のひらサイズから飛行機ほどの大きなものまで、サイズはさまざま。実は、ドローンは無人飛行機の総称を指すため、機体の形状によって呼び方が異なります。今回、ドローンの形状や呼び方について紹介します。いま世界中で開発が進められているドローンについて、ぜひ知ってみてくださいね。
シングルローター
浮き上がるためのプロペラが一枚であるドローンを、シングルローターといいます。大きなプロペラひとつで空を飛ぶため、機体の真ん中にプロペラが取り付けられているといえるでしょう。形状としては、ヘリコプターに似ている印象を抱く人も多いようです。続いて、シングルローターの特徴について紹介します。
■ シングルローターの仕組み
メインのプロペラを回転させると、機体はプロペラの回転とは逆方向の回転力を受けてしまいます。そのため、ぐるぐると回転してしまって思うように飛ぶことができません。回転力を相殺するために、なんらかの機構が必要です。機体によっては、機体尾部に小さな回転翼がついているものもあります。
■ シングルローターの実用性
シングルローターは、プロペラの回転数を下げることをしません。代わりに、メインのプロペラの角度を変えることで、上昇や下降、機首の向きを自由に変化させます。そのため、構造が難しい傾向にあり、操作も難しいといわれています。とくにホバリングが難しいとされており、ドローンとしての普及率は低い傾向にあるようです。
■ シングルローターの得意分野
シングルローターの強みは、プロペラがひとつであるための燃費のよさ。そして、速いスピードが出せるという点にあります。そのため、一刻も早く現場に到着したい災害現場や、物資の運搬には、シングルローターが最適といえるでしょう。
マルチコプター
複数のプロペラを持つドローンを、マルチコプターといいます。多くの人がドローンと聞いてイメージするのはマルチコプターであり、現代のドローンの主流となっているといえるでしょう。ではなぜ、マルチコプターが主流となったのでしょうか。その理由について掘り下げます。
■ マルチコプターの仕組み
複数のプロペラがあるものの、それぞれのパワーはあまり強くはありません。プロペラが多いほど上昇するパワーは強くなり、安定した飛行が可能となります。しかし、その分、値段が高くなるともいえるでしょう。
■ マルチコプターの呼称
マルチコプターは、プロペラの数で呼称が変わります。3枚であればトライコプター、4枚であればクアッドコプター、6枚であればヘキサコプターと呼ばれ、多いものでは18枚ものプロペラがあるドローンも。
■ マルチコプターの実用性
マルチコプターは、シングルローターとは異なりプロペラの回転数を変化させることが可能です。モーターの回転数を制御することで、上昇や下降、前後左右への移動を行います。構造が比較的単純であるため、操作がしやすいことも特徴のひとつです。手を離すとその場でホバリングする機体が多いこともあり、世界中に普及したといえるでしょう。
■ マルチコプターの得意分野
マルチコプターの強みは、安定した飛行が可能であること。そして、簡単にホバリングができるという点にあります。そのため、空撮や測定に適した機体といえるでしょう。操作しやすいことから、ホビー用としても普及していますよ。
VTOL型
VTOL型は、垂直離陸型とも呼ばれます。シングルコプターやマルチコプターとは異なる、独特な形状が特徴です。第二次世界大戦中から開発されてきたドローンの歴史の中で、最新型のドローンともいわれています。そのため、まだ実用化に至っていない形状でもあります。
■ VTOL型の仕組み
VTOL型は、機体によって仕組みや特徴が異なるようです。なかでも日本で発表されたVTOL型は、ホバリング用と推進用のローターが分離されたドローンです。従来のドローンであれば、ローターが故障すれば墜落してしまいます。しかし、このVTOL型はローターが分離しているため、従来のドローンよりも墜落する危険性が格段に抑えられるといえるでしょう。
■ VTOL型の得意分野
近年、発表されたVTOL型の最大の強みは、水平姿勢を保ったまま離着陸できるという点です。常に安定姿勢を保てることから、荷物を運ぶことに適しているといわれています。一方で、スピードに特化するために固定翼をつけることも可能です。VTOL型は、非常に高度な飛行システムが搭載されていて、さまざまな分野での活躍が期待できる最新型のドローンといえるでしょう。
形状によってさまざまな特徴があるドローンは、メリットとデメリットを併せもっています。それぞれに適した場所と役割で、利用する必要があるといえるでしょう。また、普及しているドローンの多くがマルチコプターとはいえ、ほかの形状の開発が滞っているわけではありません。それぞれの形状が持つ一長一短を、よりよいものにしようと日夜開発が進められています。今後のドローンの進化に注目してみてはいかがでしょうか。