ドローン測量を行う前に知っておきたい!「電波法」って何?
測量にドローンを使用することがありますが、ドローンを使用する際は「電波法」という法令について認識しておく必要があります。ここではドローンを使用する前に知っておきたい、電波法とはどのようなものなのか、どのようなケースが電波法違反になるのかといった電波法の基礎知識について解説していきます。
電波法とは
電波は現代社会においてなくてはならない存在です。ドローンだけではなく、私たちが日常している携帯電話やパソコン、テレビといった電子機器も電波を利用して機能しています。電波は電気と同様に無限にあるものではなく、限りある資源と考えられています。電波を公平かつ能率的に利用するため、電波の使用については国がルールを定めています。これが電波法です。ドローンは操縦や撮影した画像データを伝送するために電波を使用します。
ドローンを、電波を発するコントローラーを使って操縦すると、その時点で無線局を開局したとみなされます。無線局を開局する条件には、電波の強さが、人が集まったり往来したりする場所で、電波防護指針の規制値以下であることが必要とされています。電波防護指針の規制値は、電波の人体への悪影響を避けるため、人体に影響を及ぼす可能性のある電波の強さの最低限の数値の、さらに50倍の安全率を保つ数値が設定されています。ドローンが発する電波が航空機などで使用している、ほかの無線に干渉してしまうと危険ですが、電波の強さが規制値以下にすることで、ほかの無線通信を妨害するリスクも避けられます。
具体的には、周波数帯が920MHz帯では最大送信出力20mW、周波数帯が2.4GHz帯では10mWまでであれば無線局免許や登録が不要とされています。無線局の開局には総務大臣の免許が必要ですが、実際にはドローンを飛ばしている人たちが、電波法の試験を受けて免許を取得しているかというと、そうではありません。正規品のドローンには技適マークのシールが貼られていますが、このマークは「電波法に適合している」ということを意味しています。
このマーク自体が、前述の総務大臣の免許とされているため、操縦者が免許を取得する必要はありません。ドローンを使用して撮影したデータ転送は「無人移動体画像伝送システム」と呼ばれています。ドローン使用への需要の高まりなどから、より大容量のデータを長距離伝送することができるよう新たな周波数が確保され、平成28年に制度化されています。無線局を運用する際は、利用者間での運用調整が必要となります。これは使うことのできる周波数資源が限られているためです。無線局の免許を申請する際は、運用調整に関する資料も提出しなくてはなりません。面倒に感じるかもしれませんが、ルールが整備されたことによって、安全にドローンを運用する環境が整ったと言えるでしょう。
電波法に違反するケースとは
では、どのような場合が電波法違反になるのでしょうか。
まず、海外製のドローンを操縦した場合が挙げられます。海外で購入したドローンや平行輸入したドローンには、技適マークはついていません。一見して同じものに見えたため、購入したところ、技適マークのない海外製品だったという実例もあります。店頭で正規品を購入するのが最も安全です。都合上、どうしても店舗で購入が難しいという場合は、技適マークがあるかどうかをしっかりと確認してから購入をすることで、電波法違反を避けることができます。
中古品のドローンでも同様のことが言えます。ネットオークションを利用した個人売買などで中古品のドローンを買う場合も、技適マークを確認してください。また、自分でドローンの改造を行うと、技適マークを改めて個別申請しなくてはなりません。そもそも改造はドローンが故障したり、事故を起こしたりするリスクを高める行為なので、なるべくしないことをおすすめします。
ドローンに関する知識を豊富に持つ業者に依頼しよう
「電波法も難しいし、安全なドローンを選べるか不安」という方は、ドローン測量を請け負う業者に作業を委託してしまうのが、最も安全で簡単な方法と言えます。ドローン測量業者はその道のプロですから、電波法に違反しない正規のドローンを所有していますし、ドローンの扱いについてのノウハウもあります。
最新のドローンを使った測量では、精度の高い測量を生産性も高く行うことができます。最新機能を搭載したドローンを使った測量ができるのも、業者委託のメリットと言えます。業者によっては測量をするだけでなく、測量によって得たデータの解析、3Dモデル作成、縦横断や土量計算処理まで請け負っているところもあります。
まとめ
技適マークのないドローンを気づかず使ってしまうと、電波法違反で逮捕や罰金といった罰を受ける対象となります。ドローン測量を行う際は、プロの業者に依頼することをおすすめします。最近ではドローン測量を行う業者の数も増えてきています。比較のためにも、複数の業者に測量の方法や精度、価格やサービス内容についての話を聞いてみるといいでしょう。ドローンを利用する際は、ぜひこちらで紹介した内容を覚えておいてください。