ドローン測量はホントに正確?気になる測定精度とは

公開日:2022/07/15   最終更新日:2022/07/13


近年活躍の場を広げているドローンですが、測量にも使われていることをご存じでしょうか。「測量にドローンを使うなんて精度はどうなの?」「どんな仕組みで測量しているの?」「特別な機械は必要?」など疑問が浮かびますよね。ここでは、まだまだ進化を続けているドローン測量について説明します。

従来は高低差の激しい部分の測量が難しかった

現在、土木や農業、空撮や物流業界などさまざまな業種に導入されているドローンですが、とくに土木業界、測量に関して従来は人が手作業で行っていたり、何日もかけて航空機で撮影したものを計算したりと膨大な人手と費用がかかるものでした。

現在も道で三脚を立てて測量している作業員の人を見かけることもありますが、人間が立ち入れる場所には限度があります。崖がある場所や山奥などは危険があるうえ、広大な土地や山などは何度も航空機を飛ばす必要がありました。また、高低差の激しい場所では航空機での測量は精度が悪かったのです。ドローン測量の登場によって日数は半分以下になり、人や航空機に頼らなくなった分費用も抑えることができました。

しかしこれまでのドローン測量はGPSドローンが主流だったため、高低差が激しい場所での誤差は10cmほどで、基準点を設置しない場合などは2ⅿもの誤差が出てしまうものでした。この誤差をなるべく少なくするという課題をクリアするべく、作業員が何回にも分けてより精密な測量を行う必要がありました。このため、さまざまな企業がソフトやカメラの改良を重ねて現在のように精巧に測量ができるものができたのです。

3Dソフトとの連携で一気に精度が上がった

ドローン測量の精度を上げるために使われている3Dソフトとは、ドローンで撮影した情報を立体的に認識して図面化するものです。そもそも3Dとはなんでしょうか。3Dとは三次元のことで立体的という意味です。グラフを2D2次元)で書く場合は、縦軸と横軸だけで表されます。このグラフに奥行を加えたものが3次元です。たとえば映画館などで3Dメガネをつけて見る映画がありますが、原理は似ていて右目で見えた画像と左目で見えた画像とを組み合わせると飛び出してきたような立体的な画像ができます。

このように右目分と左目分の撮影をして、その画像を組み合わせることによって両目で見たような奥行が生まれ、立体画像として見えるのです。それをドローン撮影に応用したものが3Dソフトです。右目分と左目分の画像データを元に飛行距離などから三角測量を応用して3Dデータがつくられます。しかし映画とは違い平面を見ているわけではないため、土地の高低差がある場所もあります。航空機で写真測量をする場合は、この高低差が分かりにくく実物との誤差が生じてしまうのです。飛行機などからビルや川などを見下ろしたときに、ビルなどはまっすぐではなく、横に広がっているように歪んで見えることがありませんか?

このように建物や風景は高度が高くなればなる程画像が歪んでしまいます。この画像の歪みを真上から見たように補正したものがオルソ画像です。これに加えてステレオ撮影という方法で画像を各方向から撮影することで、奥行方向のデータを加えた画像により高い所を飛行して撮影されたドローンの画像でも、歪みの少ない情報となります。

ドローンでの光学カメラやレーザー、GPSによって位置情報などを組み合わせて点を付けていくことで点の集合体ができます。この点の集合体のデータにオルソ画像を組み合わせることで、歪みの少ないデータとなり面積や位置、距離などを数センチ単位のわずかな誤差で表示することが可能です。そのため、起伏の激しい場所や高低差のある場所でも誤差の少ない精巧な情報としてデータ化することが可能です。

地形認識モードを持つドローンの利用

ドローン測量の課題であった高低差を解消してくれるモードを持つソフトをご存じでしょうか。国土交通省国土地理院のUAV(無人航空機)を用いた公共測量マニュアル2017年改訂版によれば、“三次元点群を作成する場合の要求精度は0.05m以下とする”と明記されています。従来の写真測量では高低差がある場合、飛行高度を一定にして誤差を抑える工夫が必要でした。

そのため、高さに合わせて何度も飛行して撮影を行うなどを行う必要があったのです。現在は地形認識モードが搭載されたソフトが開発され、起伏の激しい場所でも高度を一定に保って飛行する自動飛行が可能となったことで1回の飛行でもデータの収集が可能となりました。これにより作業時間の大幅な短縮を可能にしたのです。

 

以前は人海戦術で人や航空機で測量が行われていました。ドローンは約80年前にすでに登場していました。その後2010年にフランスのParrot社から発売されたドローンがスマートフォンで動画を撮影できるという機能を搭載したことで一般に広がりさまざまなソフトやシステム開発が行われ、現在は産業用として注目を集めるまでになりました。土木の分野でも危険な場所や山林などの広大な敷地の測量が何日もかけて行われていたものが短縮でき、コストも抑えられることから活用されており国土交通省が安全対策や基準を定めるまでメジャーになっています。開発が進んで測量の精度も上がって、まだまだ活用の場を広げそうなドローン測量を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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