いつ、どこで、誰が作ったの?詳しく知らないドローンの歴史をご紹介
ドローンは近年、さまざまな分野で普及が進んでいます。新しい技術の象徴としてメディアで取り上げられていますが、実は70年以上も前に開発されたもの。今後、身近な存在になるといわれているドローンは、いつ、どこで、誰が作ったのでしょうか。今回、ドローンの歴史について紹介します。この機会にドローンについて知ってみましょう。
ドローンはもともと軍事利用目的で作られた
ドローンは、第二次世界大戦中に軍事用の無人航空機として開発されました。空撮のイメージが強いドローンですが、実際にどのようにして軍事に利用するのでしょうか。
■ 初期のドローンは目標に突撃するだけのもの
ドローンのような無人航空機の構想自体は、第一次世界大戦中にはあったといわれています。第二次世界大戦時に、研究は本格化。ドローンに爆薬を積み込み、目標に衝突させる目的で開発されたようです。しかし、技術的な問題で成功しませんでした。日本でも、1950年代から研究が開始されといわれています。
■ 現代の戦争でドローンは必要不可欠な存在
ドローンの活用法は、主に偵察用と自爆用の2通りです。いずれも人命を危険に晒すことがないため、現代の戦争において利便性が高いといえるでしょう。
とはいえ、戦争で利用されるドローンは手のひらサイズの小型機ではありません。戦地へ向かうための燃料や、爆薬を積む必要があるため、飛行機型と呼ばれる大型のドローンが多いようです。今後も、軍事用ドローンの研究、改良は進められていくことでしょう。
ドローンの開発者は明かされていない
たとえば、戦争に使われているダイナマイト。ダイナマイトは、アルフレッド・ノーベルが発明したものであることは広く知られています。しかし、ダイナマイトと同じように戦争で使われているドローンの開発者は、明らかにされていません。
第二次世界大戦中に開発されたため、軍事機密になっていることが理由のようです。一方で、ドローンを開発した国や販売した国は明らかとなっているため、紹介します。
■ 最初にドローンを開発した国
開発者は明らかにされていませんが、最初のドローンは、アメリカ軍が1944年に開発したBQ-7だといわれています。しかし操縦不能に陥ることが多く、実用化には至らなかったそうです。もし、第二次世界大戦中にドローンの実用化が実現していたら、戦争はさらに悲惨な被害を生んだことでしょう。
■ 世界で初めて産業用ドローンを販売した国
近年、産業用ドローンの普及が進んでいます。実は、その先駆けは日本の農薬散布を目的としたドローンの販売です。日本が、世界で初めて産業用ドローンを販売していたことはあまり知られていないのではないでしょうか。1980年代に販売されているため、日本の販売の歴史は短くないといえますね。
時代の移り変わりとともに民間利用に
日本は早い段階からドローンを民間利用していましたが、世界中に知れ渡ったのはフランスの会社が発売した機体がきっかけです。スマートフォンで操作できる利便性は高く評価されました。世界的なスマートフォンの普及と進化によって、急速に広まったドローンの民間利用。実際に、民間利用されている用途をいくつか紹介します。
ドローンの活用例:測量
従来のレーザー測量や航空測量よりも、圧倒的な低コストで測量することが可能です。現在、ドローンの需要がもっとも高い分野であるといわれています。
ドローンの活用例:点検や整備
橋や電気設備といった点検や整備にもドローンは活用されます。ダムや風力発電のような、高所で危険な場所も安全に点検可能です。
ドローンの活用例:農業
農薬や肥料を散布するだけでなく、農作物の生育状況のモニタリングなども可能。労力削減と収穫量の増加が期待できるといわれています。
ドローンの活用例:医療や災害救助
時間との勝負である、医療や災害現場。被害状況の確認や遭難者の捜索には、空を飛ぶことができるドローンは最適といえるでしょう。災害が多発する日本では、ドローンの活用が急務な状況です。
ドローンの活用例:報道や調査
人の立ち入りが難しい場所の撮影や、生態調査においてもドローンを活用できます。無人であるドローンだからこそ、活躍できる場といえますね。
ドローンの活用例:輸送物流
現代において必要不可欠な物流は、慢性的な人手不足の状況にあるといわれています。そのため、多くの国や企業が、ドローンによる物流の開発に力を入れています。
ドローンの活用例:スポーツや趣味
アウトドアで楽しむことができるホビー用ドローンも普及し始めているようです。また、ドローンの操縦性やスピードを競う、ドローンレースという競技も世界中で人気ですよ。
ドローンが開発された理由は、軍事目的というネガティブなものでした。残念ながら現代の戦争に利用されていることも事実です。しかし、ドローンの開発は進み、さまざまな分野での活躍が期待されています。私たちを楽しませてくれたり、助けてくれたりとドローンの可能性は多岐にわたるといえるでしょう。これからも続いていくドローンの歴史と進化に、注目してみてはいかがでしょうか。