ドローン測量の精度は高い?気になる測量精度の高さとは

公開日:2022/08/15   最終更新日:2022/08/10


一般向けの製品も増え、普及が進むドローン。ドローンは技術の進歩によって多くのシーンで活用されるようになりました。なかでもドローン測量は、行政の推進もあり注目を増しています。この記事ではそんなドローン測量について、どれくらいの精密さで計測ができるのか解説します。

ドローン測量の精度は公共測量の求めるレベルを超えている?

測量精度の基準として、公共測量に使用できるかというものがあります。公共で用いられる地図を作製するための基準ですが、はたしてドローン測量は、その基準をクリアしてるのでしょうか。

公共測量の基準とは

国土交通省国土地理院が平成29年に改定した「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」というものがあります。ここで定められた基準を超える精度を持っているものが、公共測量に用いることが認められます。この中で、ドローン測量の地図情報レベルは250から500が標準とされています。

この地図情報レベルは地図の縮尺に相当します。つまり、地図情報レベル500は、500分の1スケールの地図を作製できるレベルの正確さということです。そして測量精度は「三次元点群の平面位置及び高さの要求精度を、誤差が最大でも0.05mの値を超えないもの」と定められています。

ドローン測量は公共測量の基準をクリアしている

ドローン測量は「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」で定められた精度レベルを超えています。前出の「誤差0.05m以内」を、GPSを用いて測定した後に補正をかけることで達成されます。この手法では、すでに公共測量に用いる事のできる正確度を持っており、実際に現場で採用されているのです。

ドローン測量のメリット

ドローン測量の一番のメリットは、計測にかかるコストの大幅な削減です。この手法によって、それまでのやり方と比べて、計測にかかる時間が4分の1になったというデータもあります。また、測量の現場でも人手不足が進んでいますが、ドローン測量は、計測に必要な人員が少なく済むため、人手不足を解消する方法として注目されています。その他には、作業での事故を減らすことができるなど、さまざまなメリットがあります。

これまでの課題は「高低差」

ドローン測量の実用化にはさまざまな課題がありました。特に高低差によるズレは、この手法を推進して用いている人々を長い間悩ませました。なぜドローン測量は高低差によってズレが出るのでしょうか。そして、この課題をどのように解決したのかを解説します。

ドローン測量は観測地の高低差に影響を受ける

これまでのドローン測量は、高低差の激しいエリアで測量すると、大幅な誤差が発生しました。これは、UAVが勾配を認識しづらいことや、UAVの飛行位置と地面の距離が変化しやすいことなどが原因で、0.1m程度の誤差が出ていました。これでは公共測量の要求基準をクリアできないため、撮影エリアを細かく分けて複数回計測するなど、コストをかけて行っていました。

「地形認識モード」の登場によって解決された

この課題は、プロフェッショナルなドローンとして有名なPhantom 4 RTKが実装した「地形認識モード」によって解決されました。「地形認識モード」は、必要な高度を保ったまま、測定エリアの高低差に合わせて自動で飛行できる機能です。これによって、高低差の激しいエリアでも「誤差0.05m以内」を達成することができました。Phantom 4 RTKの実証実験では、最大高低差40mのエリアで計測をおこない、最大で約0.025m(Z軸)の違いという結果を出しました。

カメラの精度も向上している

ドローンの進化は測量の正確さだけではありません。ドローンに搭載されているカメラの精度も向上しているのです。ここでは、現在のドローンに搭載されているカメラの確かさと、カメラへの工夫で計測精度を向上させたという撮影手法について解説します。

Phantom 4 RTKのカメラ精度

「地形認識モード」で知られる測量専用ドローンPhantom 4 RTK、その現行機種であるPhantom4 Pro V2.0に搭載されているカメラは、画素数が2000万画素に解像度が4Kと、とても高い性能を持っています。実際、Phantom4 Proは計測だけではなく、映画やテレビの空撮にも採用されています。

「斜め往復撮影ドローン」

高低差の激しいエリアでは測量精度が落ちるドローンですが、地形認識モード以外に、カメラへの工夫によってこれを解決した技術があります。それが「斜め往復撮影ドローン」です。これは、ドローンのカメラをZ軸から進行方向に10~30度程度傾けて撮影する方法で、撮影エリアを往復する以外には、他の測量方法と変わりません。これによって、測定の誤差を0.025m程度におさえることができ、また、作業にかかる時間を減らすことができました。ドローンは、内部システムだけではなく、カメラや撮影方法も進化しているのです。

まとめ

公共測量にも利用されるようになったドローン。公共測量には「誤差0.05m以内」という厳しい基準がありますが、ドローン測定はその基準をすでにクリアしています。高低差が激しいと誤差が出るという問題も、システムやカメラ、撮影方法の向上によって解決されました。これまで抱えていた課題を次々に解消しているドローンは、これからさらに多くの分野で活躍していくでしょう。

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