ドローン測量とは?どのようなことができるのかわかりやすく解説

公開日:2021/12/01   最終更新日:2021/12/23

近年測量の手段として、ドローンを用いた測量方法が注目を集めています。上空から測量・撮影を行う方法には、従来は主に航空機を用いていましたが、ドローンと航空機では、測量方法にどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、ドローン測量の特徴や従来の測量方法との違いなどを交えて、ドローン測量のあらましをお伝えします。

ドローン測量の特徴

ここではドローン測量の特徴を紹介します。ドローン測量では、測量の方法と得られるデータに特徴があります

レーザー測量と写真を組み合わせて測量

ドローン測量では、レーザー測距装置や光学カメラを組み合わせて測量を行います。位置情報の他に、レーザー測距装置などで得られた情報や撮影された画像から3次元点群データを取得します。

高画質な画像を取得

ドローンは測量の機材としては小型で、低空飛行のため、近距離での撮影が可能です。高画質な画像を撮影できるうえ、小回りが利きやすいことから「少しずつずらして対象を撮影する」という、3次元の位置情報を取得するために必要な手法が実現できます。

簡単に3Dモデル作成!3次元点群データを取得

ドローン測量では、対象を少しずつずらして撮影します。それらの平面画像をステレオ画像の要領で3次元として捉えます。

さらにそこへ位置情報、レーザー測量された情報などを組み合わせ、専用のソフトを使って3次元点群データを作り上げます。3次元点群データをもとに、対象の距離や体積などの算出、3Dモデルや地図、図面の作成などが簡単に行えます。

オルソ画像を活用

航空写真は、写真の周縁部に行けば行くほど画像にひずみが生じます。ドローンで撮影した複数の写真を組み合わせて傾きや歪みを補正したものがオルソ画像です。

オルソ画像を3次元点群データとあわせて活用することにより、面積や距離などをより正確に計測し、現場の様子を把握や施工の効率化を助けることができます。

ドローン測量と従来の測量の違い

上空からの測量方法で、ドローン測量の普及以前からある方法としては「航空レーザー測量」と「航空写真測量」が挙げられます。ここでは、ドローン測量と従来の航空測量を比較し、その違いを説明します。

測量に使う機体の違い

ドローン測量と従来の航空測量の最も大きな違いは、測量のために使用する機体です。ドローン測量はその名の通りドローンを使用します。一方、従来の航空測量の場合、セスナなどの航空機を使用して測量します。

比較的コストが安価

測量方法や目的にかかわらず、航空機は飛ばすだけでも相当な費用がかかり、ドローンを利用したほうがコストは安く済みます。

航空レーザー測量は測量方法の中で最も精度が高いといわれていますが、費用としてはおよそ100万円、写真測量でも50万円程度を見込む必要がありますが、ドローンであれば一般的に20万円もかからないといわれています。航空機よりも気軽に行えるのが、ドローン測量の魅力といえるでしょう。

低空飛行で高密度なデータを取得

航空機と比べると、ドローンは低高度を飛行します。そのうえ、ドローンは航空機よりも小さく、測量の対象から近距離での測量・撮影が可能です。近距離から測量・撮影することで、取得できる点群データが高密度になり、結果として3Dデータなどの成果物をより精密に作れるようになります。

一方、航空機の場合は低空飛行が難しく、あまり対象に近づくことはできませんが、高高度から広い範囲の測量が可能です。

ドローン測量のメリット・デメリット

ドローンの性質や従来の航空測量との比較を踏まえて、ここではドローン測量のメリットとデメリットを紹介します。ドローン測量の特性や向き不向きを理解することで、ドローン測量をより効果的に活用しましょう

メリット1:ローコスト

ドローン測量のメリットとしては、やはりローコストで上空からの撮影ができる点が挙げられます。航空機と比較して、飛ばすための準備に手間や時間がかからないため、総じて手軽に行える撮影方法となっており、コストの削減や作業の効率化につなげられるのが魅力です。

メリット2:人や機械が入りづらい場所でも測量が可能

ドローンは小型で低空飛行を行うため、人や機械が近づきづらい場所でも測量を行えます。

たとえば、崖などの地形や土砂崩れなどの災害現場などは、機械の搬入も難しく、人が近づくには危険な場所です。ドローンであれば、そのような危険な場所でも安全かつ迅速な測量が可能です。また、ビルなどの建物を検査する際にも、航空機では接近が難しく、小型で小回りの利くドローンが重宝されています。

メリット3:3Dデータの作成が容易

3Dデータは、現場の把握や状況判断、施工のやりやすさを支えるのに大きく貢献する資料ですが、一方で作成には非常に手間暇がかかります。しかし、ドローン測量で取得できるデータは、3Dソフトを使うことで比較的簡単に3Dデータに変換できます。

このように、効果的な成果物である3Dデータが簡単に作成できる点も、近年ドローン測量が注目されている理由の1つといってよいでしょう。

デメリットは広い土地の測量にはやや不向きなこと

デメリットとしては、広大な土地などの測量にはあまり向いていない点が挙げられます。一般的には、航空測量よりもドローン測量のほうがコストも時間もかかりませんが、測量したい場所の広さによっては、ドローン測量のほうがかえってコストも時間もかかってしまうことがあります。

近年は広範囲の撮影向けのドローンも出てきていますが、通常のドローンと比較すると、広大な場所は航空測量のほうが向いているというのが一般的な見解です。

 

ドローンによる測量は、測量・撮影も3Dデータの作成もローコストで手軽に行えるという点が優れています。広範囲の測量は航空測量に一日の長がありますが、ドローン測量ではその機動性を活かして、航空機での接近が難しい場所での測量が可能です。

機動性と3Dデータを活かした運用を行うことで、現場の安全性と作業の効率化を高め、主に建物の検査や災害現場などでの活躍が期待できるでしょう。

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