ドローン測量に使う機体とは?本体価格はいくらするのか

公開日:2021/12/15   最終更新日:2021/12/23

測量の分野で急速に普及することが予想されるドローン測量。従来の地上測量よりも圧倒的な短時間での作業や測量可能エリアの拡大などたくさんのメリットがあるため、自社で実施してみたいとお考えの方も多いかと思われます。そこで今回はドローン測量に必要な機体や周辺機器、価格帯など初めての方に役立つ情報をご紹介していきたいと思います。

ドローン測量に向いている機体とは

ドローンは現在ではさまざまな用途に用いられるようになっていますが、測量用のドローンに向いている機体はどういったものか解説していきます。

カメラ・GNSS・高度計がついているもの

ドローン測量を行うには基本的には、カメラとGNSS(全球測位衛星システム)と高度計の3つをそなえていれば大丈夫です。

測量用ドローンには次のようなことが必須条件とされています。

・カメラ・GNSS・高度計をそなえていること

・自動操縦で指示されたルートを正確に飛行できること

・画像処理および3Dデータ生成ソフトやアプリと連携が可能で測量用の連続写真の撮影ができること

測量の写真撮影にはドローンに最初から搭載されているカメラでも対応できますし、小型・中型のドローンでも高度を計測するための気圧センサーがついていて一定の性能があれば公共測量でも使用できます。加えて自動操縦やデータ処理のためのソフトやアプリに対応していればドローン測量ができるということになります。

ちなみにGNSSというのは、「Global Navigation Satellite System」の略で自分の位置を調べることができるシステムです。多くの方がご存知なのが、米軍が開発した「GPS」で、GPSは世界各国が保有しているGNSSの内の一つです。以上のような性能を満たしているものがドローン測量に使用できる機体ということになります。

RTK搭載だとよりよい

ドローン測量には「RTKシステム」を搭載したものがおすすめです。RTKを搭載していることで、より正確な位置情報の取得ができるようになり、高精度の測量データの抽出が可能になります。

RTKとは「リアルタイム・キネマティック」の略で、「基準局」からの電波をリアルタイムに送受信できるシステムです。RTK搭載のドローンとは簡単にいうと、従来の測位衛星からの受信機能に加えて、さらに最も近い基準局からの測位情報も受信できるもののことです。

従来のものはGNSSによって位置情報を取得していましたが、数メートル単位での位置のズレが生じていました。しかし、そこにRTKシステムが加わることでズレを数センチ単位にまで縮めることができるようになります。

RTKによって高度計算も機種方位の測定もより正確で精密なものに変わります。位置情報が正確であることは測量データの良し悪しに直結する部分ですからRTKシステムは重要です。

一例として挙げますが、測量用ドローンとして代表的な機体はDJI社の「Phantom4RTK」です。このドローンは測量用に特化して開発されたもので、ネットワーク型RTKに対応し、また画像処理システムの「TimeSync」や測量用飛行アプリが搭載されています。

オーバースペックに注意

上記以外に高画質を望むなら別途でカメラを取りつけるといったことが必要になりますが、実際にどこまで機体の性能が必要なのかは、どんな条件下でドローンを使用するのかによって異なります。

より過酷な環境に対応させ、より精度を求めるのであれば高性能なものが必要になることもありますが、そうでないなら性能を持て余してしまうことになりますので、くれぐれもオーバースペックには注意してください。

測量に使うドローン機体の平均価格

次は測量に使えるドローンの価格帯について見ていきたいと思います。今では世界にはドローンメーカーがたくさん存在し、用途によって種類や価格もさまざまです。

その中で最も一般的なのが「DJI」社製のドローンになるので、そちらを参考にしたいと思います。DJIは中国のドローンメーカーで一般向けのドローン市場において約7割もの圧倒的なシェアをほこる最大手です。

そしてDJI製のドローンで人気なのが「Phantom」シリーズになります。先ほどもご紹介した、測量用に特化した機体である「Phantom4RTK」の参考価格は約73万円となっています。また最安のものであれば、「Phantom4ProV2.0」が約21万円〜となっており、こちらもプロの空撮に使用できるスペックがあります。

次に人気なのが「Mavic」シリーズで、2021年に発売された新モデルの「Mavic3」が25万円ほどになっています。さらに超高画質で高機能な「Inspire2」が約40万円です。

以上のように測量用のドローンの価格帯としては20万円〜70万円台で、20万円からの低価格帯のものはエントリー向けといった位置づけになります。

ドローン測量に必要な周辺機器やソフト

ドローン測量を行うには機体本体だけでなく、さまざまな周辺機器やソフトが必要になります。

ハードウェア関連

タブレット:ドローンのコントローラーと接続して画像の確認に使用します。スマホでも可能ですが、操作性を考えると画面の大きなタブレットが必要になります。DJI製の自動飛行アプリを使うならiPadでしか使えないので注意が必要です。

予備バッテリー:測量用のドローンの飛行持続時間は30分程度しかありません。測量をするには充分ではないので、最低でも3つは用意しておきたいところです。

プロペラガード:鋭利なプロペラが人や建物に接触する被害を防ぎ故障や墜落防止にも役立ちます。安全対策のために必須です。

賠償責任保険:第三者へ損害を与えた場合にそなえる保険です。ドローンを購入すると一年間は無償で付帯することもありますが、必ず加入しておきましょう。飛行許可申請をするにも保険への加入は必須条件です。

SDカード:写真や動画を保存するために必要です。通常はドローン本体に多少の内部ストレージはありますが、動画を撮影した場合などはすぐにいっぱいになってしまっているため別途必要になります。

ソフト・アプリ

ドローン測量には「自動飛行」と「データ解析」のソフトも必要です。

自動飛行アプリ:ドローン測量には一定の速度や高度で飛行させてデータを取得する必要があり、そのためには手動で操作するのではなくアプリを使って自動操縦することが一般的です。自動飛行アプリとして有名なのは「DJIGSpro」や「PIX4DCAPTURE」です。「DJIGSpro」はDJI製のドローンなら無料で使えますが、iPad専用のアプリになりますので注意してください。

データ解析ソフト:撮影したデータをパソコンに取り込んで測量データとして活用するためのものです。「TERRAMAPPER」や「Pix4DMapper」というソフトが人気です。

以上がドローン測量に必要となる主な周辺機器やソフトですが、これ以外にも実際の作業を補助するための機器はたくさんありますので必要に応じて準備するとよいでしょう。

 

ここまでドローン測量におすすめの機体の特徴や価格について解説してきました。基本的にはカメラ・GPS・高度計があればいいのですが、精度のためにはRTK搭載のものがおすすめでした。

価格においても精度や画質のレベルによって違ってくるといったこと、そして測量を始めるのに最低限必要な周辺機器についてもお伝えしました。ぜひ今回の内容を参考にしていただいてドローン測量の第一歩を踏み出してみてください。

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